アフリカ域内で初となるHV、カローラクロスの生産も

 トヨタ自動車は、アフリカ市場攻略に乗り出す。スズキからOEM(相手先ブランドで生産)調達する小型乗用車を、現在の2車種から年内に4車種へ増やし、OEM車の年間販売台数を3万5千台規模まで引き上げる。主に現地の政府や法人向けの中型車では、南アフリカでアフリカ域内で初となるハイブリッド車(HV)「カローラクロス」の生産に乗り出す。足元で年間120万台、2025年には同150万台への拡大を見込むアフリカ市場で、シェア2割、年間30万台の販売を目指す。

 8日にトヨタのアフリカ事業を担う豊田通商の今井斗志光アフリカ本部COO(最高執行責任者)が日刊自動車新聞などの取材に応じ、市場の見通しや事業方針を語った。アフリカ全体の新車市場はコロナ禍もあり、20年は100万台を割り込んだものの、21年には120万台まで回復、25年には150万台規模に成長すると予想。今井COOは「30年には新車市場が300万台になるとの予測もある」とし、市場拡大に備えて車種や販売網を拡充する方針を示した。

 未舗装路が多いアフリカでトヨタは「ランドクルーザー」や「ハイラックス」を中心に販売を伸ばしてきた。20年の販売実績は17万4千台。ランドクルーザーやハイラックスなどが6割以上を占める。一方で、個人向けの小型車販売は、現代自動車やフォルクスワーゲン(VW)が先行している。トヨタはインドで生産するスズキのOEM車で小型車市場を開拓している。

 20年9月にスズキ「バレーノ」のOEM車を「スターレット」の車名で販売開始したのを皮切りに、今年3月には「ビターラブレッツァ」のOEM車「アーバンクルーザー」を投入した。年内にはセダン「シアズ」、ミニバン「エルティガ」のトヨタブランド車を追加し、Bセグメント車をフルラインアップする計画。

 今井COOは「使用環境が厳しいインドであれだけのシェアを持つスズキ車はアフリカ市場に非常にフィットしている」と期待感を示した。当初の年間販売目標30万台のうち、スズキからのOEM車で5万台を狙う。

 法人や富裕層向けのCセグメント車も強化する。カローラクロスのHVを南アフリカの工場で生産し、アフリカの各市場に順次、投入する。現地生産に加え、新車・中古車の輸入を含めHVの品ぞろえを増やしていく方針で、強みであるHVを積極的に打ち出し、市場での存在感を高めていく構えだ。