ステランティスは6日、グループのボクソールの英国にあるエルズミアポート工場に1億ポンド(約150億円)を投じて電気自動車(EV)専用生産拠点にすると発表した。2022年末までにボクソール、オペル、プジョー、シトロエンの各ブランドのEVを製造する。日産自動車も英国工場でEVとリチウムイオン電池の生産能力を増強するための投資を決定している。
エルズミアポート工場は、英国の欧州連合(EU)離脱に伴って閉鎖することも検討していた。30年に内燃機関車の販売禁止を打ち出すなど、自動車の電動化政策を推進する英国政府からの補助金を受けて、ステランティスとして初となるEV専用拠点に衣替えして存続させることにした。補助金額は公表していない。
工場では、ボクソール/オペルの「コンボeライフ」、プジョーの「eリフター」、シトロエンの「eベルランゴ」の乗用と商用のEVを生産する。これらEVに搭載する50キロワット時のリチウムイオン電池も工場内で製造する。工場で使用する電力は風力発電と太陽光発電による再生可能エネルギーを使用、生産活動での二酸化炭素(CO2)排出量を低減する。今回の投資計画とは別に、新たに部品流通センターも整備する予定。