日野自動車は30日、来年1月にサウジアラビアで開催される「ダカール・ラリー2022」に、レース専用のハイブリッドシステムを搭載した車両で参戦すると発表した。同社がハイブリッド車(HV)でダカール・ラリーに挑むのは初めて。日野は量産トラックでHVを投入済みだが、これまで培ってきた電動技術でレースに挑むことで、将来の電気自動車(EV)につながる制御技術を磨く狙い。

 ベース車両は昨年レースに参戦した北米専用のボンネット車両(HINO600シリーズ)をベースとし、最高出力800馬力のディーゼル4サイクル直列6気筒エンジンに280馬力のハイブリッドシステムを組み合わせ、1080馬力を発揮する。搭載するハイブリッドシステムは、大型ハイブリッドトラック「プロフィア ハイブリッド」とは異なり、レース用に開発設計したものという。

 日野は、1991年に日本の商用車メーカーとして初めて同ラリーに参戦。22年大会に投入するHVのドライバーは「日野チームスガワラ」代表の菅原照仁氏が担当する。HV化で最高出力が大幅に引き上げられるが参戦クラスは前回と同じとなる。前回大会ではクラス12連覇を達成しており、22年大会で記録更新を狙う。