秡川直也自動車局長
所管業界のワクチン接種を側面支援

 国土交通省の秡川直也自動車局長は日刊自動車新聞などの取材に応じ、輸送、整備をはじめとした所管業界における新型コロナウイルス感染症のワクチンの職域接種について、「6月24日時点で88社の申請があった」ことを明らかにした。内訳はバスとトラック関連が27社ずつ、タクシーと整備で17社ずつで、合わせて47万人の接種が見込まれている。物流や整備関連は中小や小規模事業者が多いが、グループや地域でまとまるなど工夫が奏功し、職域接種の体制を整えた。自動車局は今後も円滑な接種に向けて側面支援を続けていくという。

 これまでに申請のあった職域接種の業種別人数はトラックが約19万人、バスが約17万人、タクシーが約7万人、整備事業が約4万人。各業界を支える人々にワクチン接種が広がれば、物流や人流、車両での感染防止力が高まり、安全・安心につながることが期待される。

 ただ、職域接種は申請が急増したため25日に一旦、新規受付を休止した。秡川局長は休止期間中も「何もしないと、次のチャンスに乗り遅れる」とし、受付再開に向けた「準備を進めていく」方針を示した。自動車局として「(関係省庁などから)なるべくフレッシュな情報をとって業界に伝え、希望者ができるようにしていく」考えだ。

 各自治体が運営するワクチン接種会場に、バスやタクシーを使って高齢者などを送る取り組みの進ちょくは「5月末で638の自治体となり、4月末に比べて倍増した」ことを公表した。全国市町村の4割弱が実施する水準になっており、多くの地域で自動車による移動がワクチン接種を支えていることが裏付けられた。

 開幕が迫る東京オリンピック・パラリンピックでも、選手やメディアなどの移動手段の提供を、自動車局として側面支援する。大会組織委員会からエージェントを通じ要請された選手、コーチ用の貸切バス2千台の手配は「大体できている」とした。また、大会関係者やメディアなど少人数での移動用途に対しては、トヨタ自動車が提供する車両を活用するが、これだけでは需要を満たせないという。

 関係者の移動には公共交通機関が使えないが、申請があったタクシー車両をハイヤーに転用するなど「通常と異なる手続きをして対応する」方針を明らかにした。通常運行するタクシー車両とは見た目で「区別できるようにする」ことで、用途を明確化する方針だ。