カーブの曲率や走行速度から適切なタイミングでドライバーに急カーブへの進入を警告するECSWから実証する(写真はイメージ)

 国内の商用車市場で新たな協力関係が広がり始めた。トヨタ自動車傘下で自動運転技術を開発するウーブン・アルファと三菱ふそうトラック・バスは23日、運転支援技術の共同研究を始めると発表した。ウーブン・アルファが開発中の自動地図生成プラットフォーム(AMP)を三菱ふそうが使う。AMPはいすゞ自動車、日野自動車も活用を表明しており、商用車の先進安全技術やコネクテッドサービスにおける共通基盤に発展する可能性もある。

 ウーブン・アルファが開発中のAMPは、公道を走る一般車両からのデータや衛星・航空写真などを基に、運転支援技術に耐えられる高精度地図を自動生成する試みだ。

 現在の自動運転用地図はGPS(全地球測位システム)やセンサーなどを搭載した専用車両を走らせ、センチメートル単位の絶対精度を持つ座標点を計測して作る。正確だが、更新を含めてコストがかかるのが課題だ。

 ウーブン・アルファは、米の地図生成スタートアップやNTTデータら複数の企業と組み、衛星画像を自動補正したり、ドライブレコーダーの映像を人工知能(AI)に認識させたりして既存データから高精度の地図を安価に作る手法をAMPで研究中だ。

 三菱ふそうはまず、大型トラック「スーパーグレート」の「カーブ進入時速度超過警報装置(ECSW)」でAMPによる地図情報を活用できないか、実際に走行して検証する。ECSWは、車両が急カーブに進入する際、カーブの曲率や走行速度から適切なタイミングでドライバーに減速を促し、横転や対向車線へのはみ出しを防ぐ装置で、装置の実効性を上げるには車両の走行ルートを正確に把握する必要がある。三菱ふそうは最終的に10以上の先進安全技術でAMPの実証を行う計画だ。

 ウーブン・アルファのAMPは、すでにいすゞと日野も小型トラックで活用できないか検討を始めている。三菱ふそうも加わることで、いすゞ傘下のUDトラックスを含め、商用4社で利用が進むことになる。

 いすゞと日野、トヨタの3社はまた、中・小型商用車の電動化やコネクテッドサービスなどでも協業を始めた。高精度で更新頻度も高いAMPは運転支援技術にとどまらず、コネクテッドサービスでも活用の余地がありそうで、今後の展開が注目される。