「ノート オーラ」を発表する星野副社長

 日産自動車は15日、コンパクトカーの新型車「ノート オーラ」を今秋に発売すると発表した。主力モデル「ノート」をベースに高級車並みの作り込みで素材や装備にこだわって開発した。ノートと同様に国内専用車で、パワートレインもノートやコンパクトSUV「キックス」に続いて独自のシリーズハイブリッド「eパワー」のみの展開とし、国内販売における電動化を加速する。世界的な半導体不足の影響を受けて販売時期が今秋になる。

 新型車は上質感を重視したプレミアムコンパクトカーとして開発した。外観では、横一文字に点灯するLEDリアコンビネーションランプや独特な造形のフロントグリル、リアフェンダーにボリュームを持たせたワイドボディーを採用した。

 内装では、人間工学に基づいて疲労を軽減するよう設計した「ゼログラビティシート」を全席に採用。ドアトリムやフロントセンターアームレスト、インストルメントパネルにはツイード調織物を採用した。運転席前にはフルTFTの12.3インチカラーディスプレーを採用した。

 同日のオンライン発表会で、販売部門を統括する星野朝子執行役副社長は「高い静粛性や質感のあるインテリアなど、従来のコンパクトカーの殻を破る自信作に仕上がった」と述べ、国内販売のてこ入れに自信を示した。

 また、「コンパクトカーの市場は国内で最も重要と捉えている」(星野副社長)と前置きした上で、オーラもeパワーのみの展開することで「電気の走りを理解してもらえたら、次は電気自動車(EV)に乗ってもらえる。コンパクト市場の次の世代でEVが来た時、日産車を選んでもらえるようになる」(同)と述べた。

 発売時期が今秋になることについては、半導体の供給状況を見定めた上で「きちんとクルマを提供できるタイミング」(国内マーケティング担当者)としている。オーラは追浜工場(神奈川県横須賀市)で生産するが、同工場で生産するノートもバックオーダーを抱えている状態で「バランスを見ながら供給責任を果たす」(同)としている。価格は261万300円(消費税込み)から。