新設備の建設予定地

 三井化学の子会社プライムポリマー(藤本健介社長、東京都港区)は、ポリプロピレンの製造設備を市原工場(千葉県市原市)内に新設すると発表した。自動車の軽量化や薄肉化などに対応できる高機能ポリプロピレンを生産する。生産能力は年間20万トンで投資額は約400億円。スクラップ&ビルド方式で、需給環境に合った生産能力を維持するために新設備を導入後、既存設備を順次停止する。8月に着工し、2024年11月の稼働を予定する。

 これまで、高機能ポリプロピレンは流動性や剛性、衝撃性に課題があり既存の設備では製造できなかった。今回導入する新設備では、三井化学のライセンス技術を用いた。精密な材料設計が可能となり、これらの課題を解決する。今後、電気自動車(EV)の航続距離伸長に伴う車体軽量化などのニーズに対応する。

 生産体制の再構築により温室効果ガス(GHG)削減にも取り組み、13年比で約7万トンのGHG削減効果を見込む。