異なるモビリティを組み合わせることでシェアサービスの利便性を向上

 移動手段のシェアリングサービスで、複数の乗り物を組み合わせて利便性を高めようとする取り組みが増えている。さいたま市は、住民が超小型電気自動車(EV)や電動アシスト付自転車などを用途に応じてシェアする実証実験を3月にスタート。ホンダのカーシェア「エブリゴー」もカーステーションまでの移動に自転車を利用できるようにした。電動キックボードもヘルメット無しでの運転が限定的に解禁されたことでシェアビジネスが本格化。様々なモビリティをシームレスに活用できるようにすることで、移動と移動のすき間を補おうとする動きが活発化してきた。

 さいたま市で実施する実証実験は、同市の「スマートシティ推進事業」の一環として始まった。同市ではすでにオープンストリート(大坂宗弘代表取締役、東京都港区)の仕組みを活用したシェア自転車とシェアスクーターが立ち上がっており、このプラットフォームに超小型EVを加えることで、住民の交通利便性を向上することが狙いだ。

 従来から実施していた自転車やスクーターのシェアは、気軽にひとり利用できる利点があったものの、複数人の移動に向かないだけでなく、悪天候時の利用も難しい。FOMM(鶴巻日出夫CEO、川崎市幸区)が開発した4人乗り超小型EVも会員が利用できるようにすることで多くのニーズに対応できれば、サービス全体の利用率向上も期待できる。今後は利用動向などを分析し、EV対応可能なステーションを増やしていく計画だ。

 ホンダは、カーシェア利用者がステーションまでの移動にシェアサイクルを活用しやすくした。17年にスタートした「エブリゴー」は、3月の時点で東京、福岡、大阪など7都府県で展開。約140カ所で稼働車両数は約200台が稼働している。車両を配置するステーションは駅周辺にあることが多く、会員の自宅近くにないケースも少なくない。街中にも多く配置されているシェアサイクルと連携することで、より多くのユーザーにとってカーシェアを利用しやすくする狙いだ。

 エブリーゴーの専用アプリでシェアサイクルの貸出/返却ポート、利用可能な自転車の情報を確認できるようにした。東京都内で営業するホンダカーズ3店舗では、エブリゴーのステーションに加えて、シェアサイクルのポートも設置。自動車と自転車をシームレスで利用できるようにしている。

 電動アシスト付自転車のシェアリングを展開するLuup(ループ、岡井大輝社長兼CEO、東京都渋谷区)はシェア自転車と同じアプリで電動キックボードのシェアも利用できるようにした。4月に東京都内6区でサービスを開始したのに続き、20日からは大阪市中心部でも利用出来るようにした。

 国の特例制度で認可を受けることで実験的にヘルメットの着用が免除されており、国内でも電動キックボード普及への機運が高まっている。シェア自転車と組み合わせて利用できるようにすることで、公共交通機関や自動車にはない機動的な移動サービスとして提供。今後は自動車を活用したサービスや公共交通機関との連携も視野に、利便性を高めていく考えだ。