ホンダは24日、三菱ケミカルと北海道自動車処理協同組合(北自協、石上剛理事長)と共同で自動車部品に使用したアクリル樹脂「ポリメチルメタクリレート(PMMA)」を水平リサイクルする実証実験を8月に開始すると発表した。実証実験を通じて異物が混入しない回収手法や素材の品質向上、リサイクル時の輸送スキームの確立につなげる。実現すれば、例えば使用済み車両(ELV)から回収したテールライトをもとに新品のテールライトを製造できるようになる。
PMMAはテールライトやメータークラスター、ドアバイザーなどに使用する素材。透明性が高く、幅広い用途に使用されているものの、現時点でリサイクル技術が確立されておらず、従来は廃棄焼却時の熱エネルギーの回収・利用にとどまっていた。
今回取り組む水平リサイクルは、使用済みの製品から回収した材料を高度なリサイクル技術でバージン材と同等の性能・品質のリサイクル材に転換し、同一種類の製品を製造する。実証実験では、リサイクル事業者で構成する北自協の加盟事業者がELVから材料を回収・粉砕し、三菱ケミカルが粉砕品を樹脂の原料となる分子状態に戻すとともにその分子を繰り返し結合することで高分子化合物を製造する。
ホンダは、回収要件の設定や回収輸送、粉砕品の品質確認などを手がける。