ジェイテクトは19日、2023年度に過去最高の営業利益を狙う中期経営計画を発表した。「合併」「協業」をキーワードに事業本部やトヨタ自動車グループ内での相乗効果を最大化するほか、損益分岐点の引き下げや関係会社再編など構造改革も急ぐ。中計は30年に向けた第1期との位置付けで、昨年6月に就任したトヨタ出身の佐藤和弘社長は「1期では競争力強化と種まきの時期だ。2期、3期で成長したものを育成して刈り取る。そんなステップで30年を目指す」と語った。

 ジェイテクトは、軸受けの光洋精工と、ステアリングや工作機械を手がける豊田工機が06年に合併してできたが、佐藤社長は「課題はいかに相乗効果を引き出すかだ」と述べた。4月にステアリング事業本部と駆動事業本部、軸受事業本部の一部を「自動車事業本部」に統合したほか、営業本部から「アフターマーケット事業本部」を独立させた。世界で138社にも及ぶ関係会社の統合にも着手する。一方で、統合組織から顧客の多様なニーズを吸い上げ、素形材から軸受け、油圧制御、センサーなど多彩な要素技術を活かして新製品を開発する。

 売上高の6割弱を占める自動車事業(ステアリング、駆動部品)は電動パワーステアリングシステム(EPS)の競争力を高める一方、デフなど駆動部品を含めた提案を進め「シャシーシステムサプライヤー」を目指す。同社はEPSの世界シェア首位だが、近年は競合他社がコスト競争力で猛追している。佐藤社長は「自動運転やステア・バイ・ワイヤなど先行きは暗くないが、そこに行くまでの間が厳しい。いろいろなEPSがある中で(既存品を)修正するというよりはイチから考え直すぐらいの思いで取り組む」と語った。

 中計の最終年度である23年には19年度比で損益分岐点を80%(前期実績は85%)にまで引き下げ、15年度の819億円を上回る1千億円の営業利益を目指す。

 新規領域では、独自開発したリチウムイオンキャパシタを売り込むほか、水素に強い軸受けや洋上風力発電用の軸受け、燃料電池(FC)向け部品などを開発する。カーボンニュートラルでは水素を活用するなどして連結ベースの二酸化炭素(CO2)排出量を13年比で30年までに半減させ、40年にはグループ全体でカーボンニュートラルを目指す。