スズキが13日に発表した2021年3月期の連結業績は、新型コロナウイルスの感染拡大や原材料価格の高騰が響き、売上高が2期連続、営業利益は3期連続で減少した。当期純利益は投資有価証券売却益などにより3期ぶりにプラスとなった。22年3月期の業績見通しはインドにおいてコロナ感染拡大の影響が不透明である点や、原材料価格の高騰に対するコスト低減の道筋を立てるため公表を見送った。

 四輪車の世界販売は前年度比9・8%減の257万1千台だった。主力のインドが20年4~6月期にロックダウンの影響で大きく落ち込んだものの、7月以降は持ち直し、通期では同7・8%減となった。

 営業利益は諸経費低減で734億円、原価低減で197億円の増益要因となったが、販売減や原材料価格高騰などの影響をカバーしきれなかった。21年1~3月期の営業利益は前年同期を上回ったが、原材料価格影響で176億円の減益要因を含んでおり、長尾正彦専務役員は「原材料価格影響は期を追うごとに大きくなっており経営課題だ」との認識を示した。