ソリューション型商品を増やす(eアクスル)

 アイシンは、「2030年ビジョン」をまとめた。電動化部品や脱炭素につながるエネルギーマネジメントシステム(EMS)などをソリューション型商品と定義し、30年に6割以上の売上高比率を目指す。DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進、25年から30年にかけて開発期間と生産コストをそれぞれ3割減らす。事業領域を入れ替え、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)やカーボンニュートラルに対応しながら持続的な成長を目指す。

 13日に伊勢清貴社長がオンライン会見で説明した。旧アイシン精機はアイシン・エィ・ダブリュ(AW)との経営統合に先立ち、1月に経営理念やスローガンを公表。今回のビジョンでは経営理念を具体化し、主要項目ごとに30年の数値目標を設定した。

 伊勢社長は6月に副会長に就き、引き続きグループ再編などに取り組む。後任には伊勢社長と同じトヨタ自動車出身の吉田守孝氏が就任する予定。伊勢社長は「これまでも構造改革が進んだとは言え、まだ道半ばだ。ビジョンに向けて次の吉田がしっかりやってくれると確信している」と述べた。

 電気自動車(EV)用「eアクスル」や回生協調ブレーキ、乗り合い送迎サービスやEMSなどのソリューション型商品の開発や量産に積極投資する一方で、採算性の低い既存部品は見直すほか、ダイカスト事業の投資は絞る。開発から生産、物流、間接部門の全領域でDXを進めて効率化や新規事業の創出に役立てる。

 30年時点の売上高(前期実績は約3兆5千億円)は明示しなかったが、営業利益率8%(同4・1%)、ROIC(投下資本利益率)13%(同5・1%)を目指す。新規事業として、車両情報を活用したプラットフォーム事業や、自動車部品のノウハウを応用した産業機器事業、特殊高分子膜による超微細水粒子の事業化などを示した。

 カーボンニュートラルに関しては、25年度までにハイブリッド用変速機とeアクスルの生産をCO2(二酸化炭素)フリー化し、30年度までに電動化全部品に広げる目標を1月に公表済みだが、政府目標を踏まえ、秋までに目標値を見直す方針だ。