PHVの給電により交換用保冷剤を冷却できる

 三菱自動車は、新型コロナウイルスワクチンの巡回接種車両として、東京都港区にプラグインハイブリッド車(PHV)「アウトランダーPHEV」を無償貸与すると発表した。給電機能を使って冷凍庫に電力を供給し、ワクチン輸送用保冷剤を冷却するほか、訪問医療チームの移動手段としての活用などを想定する。PHVの強みを有効活用し、新型コロナワクチンの接種拡大を後押しする。

 今回の取り組みは、三菱自が2019年8月から推進している「DENDOコミュニティサポートプログラム」の一環として実施する。三菱自側の提案を基に実現したプロジェクトで、港区に対しアウトランダーPHEVを1台、1年間無償で貸与する。

 新たに始まった65歳以上の高齢者を対象とした新型コロナワクチン接種だが、接種会場に来ることができない対象者も出てくることが想定される。訪問接種の場合、コロナワクチンをセ氏2~8度の冷蔵状態を6時間保つ必要がある。1回の巡回で5~6件の接種を想定する。PHVの給電機能を生かし、冷凍庫を車載することで、ワクチンを低温で保った状態で輸送するために必要な保冷剤のストックが可能となり、必要に応じて交換することができる。また、自家発電設備が整っていない接種会場の場合、停電時にディープフリーザーなどのバックアップ電源としての活用も見込める。