デュトロZ EV
ウォークスルー構造
システムレイアウト

日野自動車は15日、小型電気自動車(EV)トラックを2022年初夏に市場投入すると発表した。通常の小型トラックと比べて床面地上高を約半分に抑えた「超低床構造」や運転席から荷台へ移動できる「ウォークスルー構造」を採用し、使い勝手にこだわった点が特徴。市街地での小口配送などの需要を見込む。

日野が投入するEVトラック「デュトロZ(ズィー)EV」は、EV専用に開発した前輪駆動(FF)方式のプラットフォームを採用し、400mmと低い床面地上高を実現。荷物の積み下ろしやすさや乗降性を高めた。床面をフラットにできるEVの特性を生かし、ウォークスルータイプを採用することで、小口配送での利便性も向上した。

バッテリーは、荷物の積載容量とのバランスを考慮し、40キロワット時の電池を搭載する。航続可能距離は現時点で非公表だが、100キロメートルを目指して開発したという。ウォークスルータイプに加え、用途に応じて架台を架装できるキャブシャシ型も設定する。

物流業界では労働人口の減少やeコマース(電子商取引)市場の拡大を背景にドライバー不足をはじめとする業界課題が深刻化する。一方、カーボンニュートラルを背景にEVトラックの導入意欲も高まる。ドライバーの負担軽減と環境性能を両立するEVトラックを投入し、物流業界のニーズに応える。