トヨタ自動車とスバルは5日、共同開発のスポーツカー「GR86(ハチロク)」と「BRZ」の新型モデルを発表した。先代モデルより排気量を400cc拡大し、パワーを向上させるなど運動性能を引き上げた。プラットフォームを共有化しながらも両社が目指すクルマづくりを反映して異なる走り味を実現した。国内投入時期はBRZが今夏、86が今秋を計画する。
86/BRZは2012年に初代モデルが登場し、全面改良は約9年ぶりとなる。新型車は初代と同様にスバル製の水平対向4気筒エンジンを搭載し、排気量は2.0リットルから2.4リットルに拡大し、最高出力は173キロワット、最大トルクは250ニュートンメートルとなる。全高を10ミリメートル低くしルーフにアルミ材を採用するなど低重心化を図るとともに、ねじり剛性を従来比で約50%向上させるなどボディー剛性も引き上げた。オートマチック車には、スバルの先進運転支援システム「アイサイト」を採用する。
86は、トヨタガズーレーシングが手がけるスポーツカーシリーズ「GR」の第3弾としてGRの名を冠した。両車の新型では基本的なスペックは同じながら、両社が求めるスポーツカーの走り味を実現するためにチューニングなどで「最終的にそれぞれの味が実現できた」(ガズーレーシングカンパニー佐藤恒治プレジデント)。スバルの藤貫哲郎常務執行役員CTO(最高技術責任者)は「86はドライバーに『もっとイケイケ』と訴えかける。一方でBRZはクールでドライバーの要求に奥深く応えるクルマ」と走りの進化に自信を見せる。