東京ガスは30日、法人や自治体向けに電気自動車(EV)の導入検討をサポートするサービスを試験的に始めると発表した。企業が使用する車両の走行データなどを分析することでEVに転換可能な台数などを割り出すほか、導入後のコストメリットや停電時の活用方法なども一括して提案し、社有車のEV化を後押しする。

 同社がEV導入を提案するのは初めて。同社のガス供給エリアである首都圏で、EV導入への関心が高い法人や自治体を対象に展開する。EVの場合、航続可能距離や充電インフラへの心配などから導入に踏み切れないケースも少なくない。新たに始めるサービスでは、走行履歴などのデーターに基づいてEV導入が可能な台数や二酸化炭素(CO2)削減量、ランニングコストなども「見える化」する。

 まずはトライアルとして営業用車両などを多く抱える取引先の車両などに走行データを収集するデバイスを取り付け、サービス内容を検証する。自動車走行データの収集、解析などを手掛けるスマートドライブ(北川烈代表取締役、東京都千代田区)と連携するほか、EVとパワーコンディショナーの調達、リース、補助金申請は日本カーソリュションズ(髙島俊史社長、東京都千代田区)が担う。

 東京ガスは、電力小売りの自由化に合わせて家庭向け電力の販売に参入して以降、電力事業の強化も進めている。EV導入支援サービスも手掛けることで、ガス契約者以外との取引にもつなげる。