柴田英利社長

 ルネサスエレクトロニクスは30日、火災の影響で生産停止している那珂工場(茨城県ひたちなか市)からの車載向け半導体の出荷再開が6月末ごろになるとの見通しを発表した。車載向け半導体は4月下旬から出荷が停止する見通し。火災による被害を受けた装置は11台から23台に増加したものの、工場での生産再開時期は、当初の計画通り4月末となる見込み。6月以降、他の工場での代替生産や外部への生産委託も確保して、半導体不足の影響を最小限に抑える方針だ。

 21日の発表時点で11台と発表していた半導体製造装置の被害は23台に増えた。すすや塩素ガスの発生による汚染被害が想定よりも大きかった。一部装置に関しては、導入が6月以降になるケースもある。

 4月末に仕掛品を含めて生産を再開し、6月末に出荷量が火災前の水準に戻る見通し。車載半導体は在庫が無くなる4月下旬から同工場からの供給がストップする見通しで「現時点では1・5~2カ月相当は支障が出る」(柴田英利社長)とした。

 一方で、5月末から残存仕掛品を用いた生産を開始するほか、合わせて代替生産も始めることで、生産停止の影響を最小限に抑える。

 火災による同社の売上への影響に関しては、240億円に上る見込み。一方で、柴田社長は「代替生産により、第3四半期以降に落ちた分の売り上げをカバーできる」と説明した。

 那珂工場では19日に300㍉㍍ラインのN3棟から火災が発生し、クリーンルームの約5%が焼損した。火災被害があった工場の製品は6割以上が自動車向け、そのうち6割をマイコンが占める。世界規模で発生する車載半導体不足に拍車がかかる可能性があるとして注目が集まっていた。