米国などで4月に発売する次期アウトランダー

 三菱自動車は、全面改良する次期「アウトランダー」の国内販売について、パワートレインをプラグインハイブリッド車(PHV)に絞って今年12月に投入する方針を固めた。4月に発売する米国などでは、ガソリンエンジン車を先行して販売する計画だが、日本ではPHVに営業資源を集約することを決めた。ハイブリッド車(HV)を含めた電動車販売が好調に推移する中、同社にとってPHVの象徴ともいえる「アウトランダーPHEV」の新型車投入を急ぎ、国内販売の立て直しにつなげる。

 今月に入って全国の販売会社に方針を伝えた。同社は昨年7月に発表した新たな中期経営計画で次期アウトランダーについて、2021年にガソリンエンジンモデルを発売し、PHV「アウトランダーPHEV」を22年に投入する計画を示している。年内にアウトランダーのPHVモデルを発売すれば、当初計画を前倒しすることになる。

 日本政府が50年のカーボンニュートラル、35年までの新車販売での脱ガソリン車を目指す方針を掲げたことで、国内市場も変化しつつある。電動車販売にとって追い風が吹く中、主力PHVの国内投入を早めることで、同中計で国内事業の収益改善策と位置付ける「PHEVを軸とした環境車販売強化・ブランド力向上」を加速する。

 今年2月の国内乗用車新車販売における電動車の販売は、前年同月比10・9%増の約14万1千台と伸びている。特にPHVは同41・2%増と順調だ。昨年12月にマイナーチェンジした「エクリプスクロス」も事前受注の8割近くがPHV。またトヨタ自動車「RAV4 PHV」も見込みを上回る引き合いがあったことで受注を一時停止するなど、反響は大きい。国の20年度第3次補正予算の成立で新車購入補助金が電気自動車(EV)とともに倍増することもあり、PHVの認知度、市場拡大の機運は高まっている。

 一方、ガソリンエンジン車を設定しないことについて、系列ディーラーからは懸念の声も出ている。05年に初代を発売したアウトランダーは、系列ディーラーの登録車販売における主力車種の一つで、全面改良による代替母体も大きい。PHVのみとすることでエントリー価格が上昇すれば「ガソリン車ユーザーからの代替を取りこぼすのでは」と不安視する向きもある。一部のディーラーからは、ガソリン車投入への要望も上がっているものの、PHVを主力とする方針を明確に示すことで国内のPHV市場でけん引役を狙う。