ルネサスエレクトロニクスの柴田英利社長は21日に開いたオンライン会見で、19日に火災が発生した那珂工場(茨城県ひたちなか市)の復旧に、1カ月近くかかるとの見通しを示した。被害を受けたのは300 ミリメートルの半導体ウエハーの生産ラインで、同ラインで生産している6割以上が自動車向け。世界規模で発生している車載用半導体不足に拍車がかかる可能性がある。
柴田社長は会見で、1カ月以内の生産再開を目指すとした。同ラインで生産している製品のうち、3分の2は技術的には代替が可能であるが「他工場に余力がなく、現在、対応を検討している」(同社)段階とした。
また、1か月分の在庫は確保しており、当面の供給には影響はないと説明した。完成車メーカーの生産に影響が出てくるのは、在庫が無くなる4月末からとみられる。
被害を受けたラインで生産している製品は、66%が自動車向け。内訳としては、車両制御などを行うマイコンが64%、ADAS(先進運転支援システム)などに搭載するシステムオンチップ(SoC)が34%を占める。