三菱自動車は10日、2023年をめどに欧州市場でルノーからOEM(相手先ブランドによる生産)供給を受けることを決定したと発表した。2車種を三菱自のブランドとして販売する一方、欧州の一部地域で新車販売事業から撤退する。22年度までの新中期経営計画で掲げる「選択と集中」の戦略に沿って、重点市場と位置付ける東南アジア諸国連合(ASEAN)向けに重点的に経営資源を振り向ける。
具体的な販売国や供給モデルは検討中だが、電動化を重視したラインアップにするとしている。同社はこれまでにオーストラリアやニュージーランド向けで、ルノーから商用バンの供給を受け、「エクスプレス」として販売している。
三菱自は、欧州34カ国で事業を展開する。20年7月に欧州向け新規車両開発の凍結を決めていたが、さらに踏み込み23年をめどに欧州市場の一部で新車販売事業から撤退する。今後、日産自動車、ルノーとの3社連合の枠組みを有効活用し、販売価格の適正化や物流、固定費の改善を進める一方で、ASEAN向けに重点投資する。