展示会で披露したハイブリッドバッテリーセル

 武蔵精密工業は3日、リチウムイオン電池とリチウムイオンキャパシタを組み合わせた「ハイブリッドバッテリー」のプロトタイプを開発したと発表した。電動二輪車や物流システム、再生エネルギー、バックアップ電源用などで実用化を見込む。特に東南アジアやインドの電動二輪車向けをターゲットに受注獲得を目指す。

 リチウムイオンキャパシタは高入出力や長寿命、高い安全性などの特性を持つ。高容量のリチウムイオン電池と組み合わせることで、高性能で長寿命な二次バッテリーを実現する。

 電池は、東南アジアなどの平均気温の高い地域では、劣化が早い。今回開発したハイブリッドバッテリーを用いた蓄電デバイスを活用することで、急速充電や長寿命化を実現できるという。

 バッテリーセルは電圧2.2~3.65ボルト、最大電流が500アンペア、温度環境ではマイナス20~80度まで対応する。サイズは150mm×130mm×17mm。

 東京ビッグサイトで開幕した「二次電池展」で、同社の大塚浩史社長は、開発品によって「他社との差別化が図れる」としている。