グローブボックス内での分解作業

 沖エンジニアリング(OEG、橋本雅明社長、東京都練馬区)は、リチウムイオン電池の焼損事故解析サービスを始める。電気特性検査やX線CT検査などを行い、発火事故などの焼損原因を特定する。対象はスマートフォンやウエアラブル機器といった小型民生品が中心だが、電動バイクや電動自転車、ドローンといった小型モビリティにも対応する。現在、車両装着比率が高まっているリチウムイオン電池搭載のドライブレコーダーなどカー用品もサービス対象となる。3月2日からサービスを始める。

 同社は現在、二次電池と二次電池搭載機器に対して、振動や衝撃、加熱といった環境試験やEMC(電磁的両立性)試験、構造解析、成分分析など全44項目の試験・評価・解析をワンストップで受託するサービスを提供している。

 今回、新たに焼損事故解析サービスを追加するのは、低価格のリチウムイオン電池の普及に伴い発煙、発火事故が増加し、バッテリーメーカーなどから焼損原因を特定する要望が増えていることが背景にある。

 新サービスの開始に当たっては「リチウムイオン電池焼損事故解析チーム」を立ち上げるとともに、電池の電気特性を計測する充放電試験機や、減圧状態で分解作業が行えるグローブボックスといった設備を新たに導入。安全な試験環境で確実な原因特定が行える体制を整えた。

 新サービスでは①外観検査②電気特性検査③X線CT検査④分解検査―を行う。①ではクラックや傷、変形などの有無を確認。②では内部抵抗値や充放電特性を検査し、③ではセル内部の欠損や不具合の有無を確認する。

 ①から③の非破壊検査を行い、電池内部の状態を把握した上で分解検査を行う。対象試料を実際に分解し、目視や実体顕微鏡で内部を観察し焼損原因を突き止める。

 解析結果は調査報告書にまとめ、顧客に提供する。検査自体はOEGで行うが、リモートでの立ち会いもできるようにするという。

 同社は、今回の解析サービスと既存のワンストップ受託サービスを含め、年間3億円の販売を目標に掲げる。