ソニーは、SPAD(単一光子アバランシェダイオード)画素を用いた車載LiDAR(ライダー)向け測距センサーを開発したと発表した。同社がCMOSイメージセンサーを手掛けてきた技術を活用して開発した。最大300㍍の距離を15㌢㍍間隔で高精度に測距する。また、さまざまな温度環境や天候など、車載用途に求められる厳しい条件下での検知・認識による信頼性を向上させた。
SPADとは、入射した1つの光子(フォトン)から、雪崩のように電子を増幅させる「アバランシェ増倍」を利用する画素構造で、弱い光でも検出することができる。光源から発し、対象物で反射した光がセンサーに届くまでの光の飛行時間(時間差)を検出し、対象物までの距離を測定する方式の受光素子として用いることで、長距離で高精度な距離測定が可能という。また、マイナス40度~125度の厳しい温度条件下でも、安定的な光子検出効率を実現した。同社は、新製品を搭載したMEMS方式のライダーも評価用として開発し、提供を開始した。