車庫に眠らせていたバイクにもう一度乗ろうという人が増えた

 新型コロナウイルスの感染拡大を契機に二輪車の補修部品や用品の需要が拡大している。2020年4~12月期のホンダの二輪車用補修部品の売上高は前年同期比で約7%増加し、イエローハットグループの「2りんかん」も店舗売り上げが同14%増と好調に推移した。「密」を避けて移動したいというニーズの拡大などから新車販売が堅調だったほか、「旧車」など既販車のメンテナンス需要が伸びたことが大きな要因だ。新型コロナによる〝刺激〟を受けて新車だけではなく、二輪車のアフターマーケットも活性化してきた。

 二輪車用の部・用品が好調な要因の一つはコロナ禍でも底堅い推移を見せた新車販売だ。原動機付き自転車(原付)は減少トレンドが続いているものの、20年暦年の126cc以上の二輪車販売は前年比13・6%増の14万1771台と大きく伸びた。用品関連では新車販売の増加がヘルメットなどの需要拡大に結び付いた。

 加えて、部・用品需要拡大の追い風となったのがコロナ禍を契機に「ガレージで眠らせていたバイクにもう一度乗ろうとする人が増えた」(ホンダ・日本本部部品事業部部品販売企画課の神田陽平氏)ことだ。ホンダでは4月以降、これまで漸減していた部・用品の販売が増加に転じた。

 同社によると、宅配サービス「ウーバーイーツ」などの普及でデリバリー向け二輪車用の需要が増えたほか、古いモデル用の部・用品需要が伸びたという。神田氏は自宅で過ごす時間が増えたこともメンテナンス需要の拡大につながったとみる。2りんかんでも、既存ユーザーの乗車機会の拡大によって新車向け用品だけではなく、消耗品などの販売が増加した。

 国土交通省と総務省によると19年3月末時点の二輪車の保有台数(原付含む)は前年同期比1・8%減の約1054万台だった。二輪車の保有は30年前から減少傾向が続いており、今後も大きな拡大は見込みにくい。

 ただ、この中には使用していないにも関わらず、廃車手続きをしていない車両が相当数あるとみられる。特に、車検制度がなく、維持費の安い原付や軽二輪(126~250cc)は、国がまとめた保有台数と実際に利用されている車両台数にはかい離があると言われる。

 コロナ禍をきっかけに保有台数に占める二輪車の利用率が上昇していけば、アフターマーケットの広がりもさらに見込めそうだ。