日産自動車は9日、新型コロナウイルス感染拡大や半導体不足による販売減を見通し、2021年3月期の通期連結業績予想の売上高を昨年11月の前回発表値から2400億円減の7兆7000億円に下方修正した。一方で、事業構造改革「ニッサンネクスト」によるコスト削減効果によって営業損失は1350億円改善し、当期純損失は850億円改善して赤字幅を縮小する見通し。

 内田誠社長兼最高経営責任者(CEO)は、「中間決算発表時に構造改革は着実に進んでいると言ったが、3カ月経ったがそのモメンタムは継続している」と述べ、収益体質改善の効果を強調した。20年4~12月期では営業損失が1316億円の赤字となったが、10~12月期で見ると固定費削減効果などで271億円の黒字を確保した。

 通期見通しでは、世界販売台数は昨年11月公表値から15万台減らし401万5000台に下方修正した。営業損失の内訳では販売減少分を570億円の減益要因とするが、販売奨励金の削減や販売構成の改善などで600億円の増益要因で相殺し、さらに販売金融事業などでプラスを見込み、営業赤字を2050億円まで圧縮する。