発売予定の新型車「カローラクロス」(タイ仕様)

 トヨタ自動車は、2021年の国内販売見通しを少なくとも昨年並みの150万台とし、新型車攻勢でさらに上積みを図る方針だ。1月末に開いたオンライン会議で全国のディーラー代表者らにこうした方針を伝えた。新型コロナウイルスの感染拡大によって雇用や消費の先行きが懸念される中、新車の生産と販売を維持することで国内経済をけん引する考えだ。

 20年の国内販売実績はトヨタ・レクサス車合わせて150万4221台だった。コロナ禍で前年から6・6%減ったが、市場全体(軽自動車含む)が同11・5%減だったのに対し、5月からの全車種併売や「ハリアー」「ヤリスクロス」などの新型車効果で落ち込み幅を最小限に抑え、登録車の市場占有率では初めて50%を超えた。

 21年はこうした人気車の供給を急ぐ一方、ヤリスクロスと「RAV4」の間を埋める小型SUV「カローラクロス」の投入をはじめ「ランドクルーザー」や「アクア」、レクサス「NX」を相次ぎ全面改良し、新型車攻勢をかける。年末にはミニバン「ノア/ヴォクシー」の新型車も投入する計画だ。

 トヨタは、21年の世界生産計画を過去最高となる約920万台(前年比17%増)に設定した。世界生産の約3分の1を占める国内生産は320万台弱になるもようだ。同社は国内の雇用や技術・生産基盤の維持に年間300万台体制が必須としている。同様に国内販売も年150万台を必達目標とし、全系列併売やMaaS(サービスとしてのモビリティ)事業の推進、「地域駐在員」の新設など構造改革も進めている。

 一部地域の緊急事態宣言が延長されるなど国内市場の先行きは依然として不透明だが、コロナ禍でも年150万台の旗を降ろさず、新型車効果による上積みを目指すことで国内経済の早期回復をけん引する考えだ。