スズキは2日、60~75歳の高齢者を対象とした途中解約特約付き残価設定クレジットの販売を開始すると発表した。先進安全装備を搭載する新車と中古車を対象とした残価設定型クレジットで、病気やけが、免許返納などユーザーが運転困難な状態であることを条件に残債の支払いを不要とする。高齢ドライバーが抱く先々の支払いへの不安を払拭し、安全装備を搭載した車両の購入を後押しする。
スズキの自動車販売金融子会社のスズキファイナンスが取り扱う。残価設定クレジットは新車の場合、5年60回払いとし、3年目の車検費用も含むメンテナンスを付帯する。ユーザーが死亡した場合や病気、けがなど運転が困難となった場合、さらに運転免許証を返納した場合など、車両の下取りがクレジットの残高に満たなくても追加の支払いを不要とする特約を付加する。金利は新車の場合、軽自動車が5.9%、登録車が4.9%とスズキファイナンスが扱う通常の残価設定クレジットよりは割高となるが、解約特約に加えて最終回まで支払い、車両を返却、スズキ車に代替した場合は最大5万円をキャッシュバックするなど特典を設ける。また、病気の相談や緊急時に24時間365日対応する「メディカルアシストサービス」を付帯する。
高齢者を対象に途中解約特約を付帯する金融商品は、トヨタ自動車のサブスクリプション(定額利用)サービス「KINTO(キント)」をはじめ、東京日産がカーリースを展開している。国内の販売現場では高齢化を背景に、万が一の場合の残債リスクを敬遠して車両購入に二の足を踏むユーザーは増えている。軽を主力とするスズキでは高齢者ユーザーも多く、高齢者向けの金融商品で日々の生活でマイカーを必要とするニーズに対応する。