デンソーのオンライン決算会見

 デンソー、アイシン精機などトヨタ自動車系大手部品メーカー7社は2日、2021年3月期業績予想をそろって上方修正した。コロナ禍で取り組んだ損益分岐点の引き下げに、トヨタ自動車をはじめとする取引先の生産回復が重なった。7社の中で唯一、営業赤字を見込んでいたジェイテクトも黒字転換する。コロナの終息時期や半導体不足など先行きはなお不透明だが、各社は体質改善の手を緩めず、来期に備える考えだ。

 20年4~9月期に営業赤字だった4社のうち、4~12月期はデンソー、アイシン精機、愛知製鋼の3社が営業黒字に転換した。10~12月期に限ると、アイシン精機が売上高と営業利益、豊田合成が営業利益で過去最高で、他社も一気に業績が改善した。デンソーの松井靖経営役員は「トヨタグループ向けが中国を中心に好調だ。地域別では日本と中国が対前年で約15%、アジアや北米、欧州が約10%上振れしている」と説明した。トヨタ紡織の笛田泰弘執行役員は「日本、タイなどで車種構成が良くなったこともあり、良い結果を残せた」とした。

 通期の上方修正は、各社とも4~12月期の業績上振れ分や自社の収益改善効果などを織り込んだ。デンソーは前期に計上した品質関連費用が、豊田合成は独子会社の事業整理損がなくなり、減収増益決算になる見通しだ。愛知製鋼は売上高を上方修正したものの、営業利益以下は従来予想を据え置いた。昨年11月頃から高騰し始めた鉄スクラップ価格が収益の足かせとなる。

 車両生産は回復しつつあるが、今後は半導体をはじめとする資材の需給や物流費の上昇も気がかりだ。デンソーの松井経営役員は「海上輸送のコンテナがかなり不足しており、値上げにも協力せざるを得ない。(排ガス触媒などに使う)ロジウムの値上がりもある」と指摘した。ジェイテクトの牧野一久取締役は「アフターコロナはまだ見えていない。それよりこの機会を利用して体質改善を進める」と語った。