欧州の主要各国や中国で電気自動車(EV)の販売が急拡大している。各業界団体のまとめによると、2020年に、ドイツのEV販売が前年比で3倍超の19万4千台となったほか、フランスと英国も3倍に迫る規模に拡大。コロナ禍で独仏英の新車市場が大きく落ち込む中でも急伸した。また、中国では同11・6%増と、堅調に台数を増やした。環境規制の強化や政府による購入補助金、メーカー側のラインアップ拡充などが奏功したと見られ、日本も普及が急がれる。

 ドイツ連邦自動車局(KBA)によると、20年の電動車販売台数は39万4940台で、このうちEVは19万4163台と、前年の6万3281台から大きく拡大した。乗用車全体に対する比率は約7%と前年(1・8%)から伸びた。フォルクスワーゲン(VW)が20年9月に欧州で「ID.3」の納車を開始したことなど、各社が量販車を相次ぎ投入したこともEVの販売を押し上げた。

 フランス自動車工業会(CCFA)のまとめでは、20年のEV販売は11万912台で、前年の2・6倍に増えた。ハイブリッド車(HV)とプラグインハイブリッド車(PHV)も拡大する一方、ディーゼル車の販売は減少。シェアは4㌽減少し、31%となった。

 英国の20年の新車販売台数は同29・4%減の163万1064台となり、1992年以来の低水準に落ち込んだ。ガソリン車が同39・0%減、ディーゼル車が55・0%減と前年実績を大きく下回ったのに対し、電動車(マイルドハイブリッド車を除く)は同66・7%増と急伸した。中でもEVは2・9倍増と10万台を超え、PHVも2倍近く増加した。

 また、ノルウェー202020年のEV販売が同27・3%増の7万6804台となり、新車販売に占める割合が54・3%に達した。

 環境対策を強化している欧州主要各国でEVの補助金を増額したことが販売を押し上げた。ドイツでは政府と自動車メーカーが補助金を折半負担し、EVや燃料電池車(FCV)などを対象に最大9千ユーロ(約113万円)を支給する対応をとった。また、中国は政府の景気刺激策もあって、20年の新エネルギー車(NEV)販売は同10・9%増の136万7千台となった。

 日本の20年の電動車販売(軽自動車含む)は、同8・9%減の137万7641台で、EVは同31・5%減の1万4604台だった。現状、新車販売に占める割合は1%未満だが、日産自動車「アリア」をはじめとするメーカー側の商品拡充や再生可能エネルギー導入とセットにした補助金などと合わせて普及を促す。