竣工した筑後工場の新棟

 ロームは、ローム・アポロの筑後工場(福岡県筑後市)に新棟を竣工したと発表した。棟内の電力を100%再生可能エネルギーでまかなう環境に配慮した工場とした。SiC(炭化ケイ素)パワーデバイスを主に生産する。今後加速する自動車の電動化でSiCのニーズが高まると見込み、需要増加に対応できる体制を構築する。新棟の稼働は2022年初頭を予定する。投資額は約200億円。

 新棟は排熱を有効活用した高効率の空調設備や純水製造設備、LED照明の導入により、二酸化炭素排出量を約7000トン分削減する。従来設備に比べると20%の低減となる。

 同社は昨年6月に第4世代SiC MOSFET(金属酸化膜半導体製の電界効果トランジスター)を開発。従来はオンボードチャージャーやDC/DCコンバーターなどへの採用が主流だったが、電力変換してモーターを駆動する主機インバーターなど用途の範囲が拡大している。こうした自動車業界の流れに対応するため、SiCパワーデバイスの生産棟を新設し、生産能力を増やす。