デンソーは、燃料電池車向けにSiC(シリコンカーバイド)パワー半導体(ダイオード、トランジスター)を搭載した次期型昇圧用パワーモジュールの量産を開始したと発表した。新製品は、独自技術で従来品比約30%の小型化と同約70%の電力損失の低減を実現した。9日に販売を開始したトヨタ自動車の新型「MIRAI(ミライ)」に採用されている。

 SiCは、従来のSi(シリコン)よりも高温や高周波、高電圧環境での性能が優れているとされる。システムの電力損失低減、小型化、軽量化に大きく貢献し、車両燃費の向上に貢献するキーデバイスとして注目されている。デンソーは、パワー半導体を車載用途に適応させるため、SiC技術の研究開発に取り組んできた。