楽器では名の知れたヤマハ。車載事業でもその知見は生きるのか

 楽器や音響機器を手がけるヤマハが、車載向けオーディオ事業に本格参入した。9月末には吉利(ジーリー)グループの電気自動車(EV)にオーディオシステムが初採用されたと発表したほか、先進運転支援システム(ADAS)に対応する立体音響システムも開発中だ。

 ガソリン車と比べて静粛性が高いEVなどの電動車では、音響におけるニーズの増加や多様化が見込まれる。ヤマハのIMC事業本部電子デバイス事業部の鳥羽伸和事業部長は、将来「音でメーカーや車種のアイデンティティーを表現するようになる」とも予想する。競合他社も多い中、楽器の領域で磨いた「圧倒的な音質」(鳥羽事業部長)を武器に車載領域で攻勢をかける。