実証実験の様子

 室内光でコロナを不活性化-。日本ペイントホールディングスは、可視光応答形光触媒を採用した水性塗料で、新型コロナウイルスを99.9%以上減少させる実証実験に成功したと発表した。「室内光などの弱い光でウイルスを不活性化する技術を水性塗料に導入する例は、他社ではない」(同社)ことを強みとし、製品化の可能性を模索していく。

 ガーナ大学医学部附属野口記念医学研究所との共同研究の一環で実証実験を行った。試験塗料を塗布した試験管に、新型コロナウイルスを接種し、蛍光灯を照射。12時間後に残存率が99%以上減少したことを確認した。

 同技術は、太陽光のような強いエネルギーでなく、蛍光灯のような弱い光で作用することを特徴とする。アルカリ性顔料などの競合技術と比べても、「人体へのリスクが少なく、抑制効果も高い」(同)という。

 今回は実証実験に留まるが、将来的な製品化も視野に入れて活用を進める。