バックドアの室内側にある熱線コードをまとめてカバーするリアデフォッガーカバー
両面テープで簡単に装着できる
スマートフォンや鍵を入れることができるドアグリップポケットベース
機能や感触、質感はそのままに取り付けることができる
星光産業 製品事業本部 商品企画部 中島淳課長

 ジムニー/ジムニーシエラのアクセサリーパーツのラインアップを拡充している星光産業。2019年秋に第1弾となる9アイテムを市場投入し、今秋にはさらに追加アイテムを発売する。第1弾は「普通の車にあって、ジムニーにはないもの」をテーマに開発、第2弾はアウトドアなどをテーマにした製品開発を進める。共通するのは「ジムニーらしさ」。タフネスなデザイン性、質感、マット感など、車体に付けたときに違和感のないデザインにこだわる。ジムニーのアクセサリーパーツの製品開発を手がけた製品事業本部 商品企画部 中島淳課長に話を聞いた。

不便さの解決やドレスアップに適したアクセサリー

 -ジムニー/ジムニーシエラの専用アクセサリーの開発に乗り出したきっかけは
 「2018年7月にジムニー/ジムニーシエラの新型(4代目)が発売し、人気が高いことや納車待ちが起きるほどにファンが多いことは分かっていた。そのため、まずはレンタカーでどんな車なのかを実際に確認した。加えて、インターネットの口コミなどを見ながら、ユーザーがどんなものに不便さを感じているのかなどの意見を集めた。その後、商品企画部のメンバーでアクセサリーのアイデアを出し合って、40案ほど出し合った。その結果、不便さを解決するものやドレスアップに適したアクセサリーが出せそうだということになって、開発に着手した」
 -ラインアップは
 「現在はリアガラスのむき出しになっている熱線コードを保護する『リアデフォッガーカバー』、ドアグリップをポケットにする『ドアグリップポケットベース』、『スマホホルダータフネス』『アシストグリップポケット』『ライティングUSBソケット』『スイッチエキステンション』『キーホールカバータフネス』『運転席側サポートミラー』『スペアタイヤナットキャップ』の9種類だ。11月をめどにさらに、アウトドアをテーマにした用品ラインアップを拡充する」

一番人気は「リアデフォッガーカバー」

 -売れ筋は
 「実は意外でもあったのだが、リアデフォッガーカバーの人気が最も高い。荷物の積み下ろし時などにあたってしまうことで断線の恐れもあるが、このカバーをすることで解消する。また、ペットを飼っている方の中には『ペットが噛んでしまい、危ないと思っていた』という声もあった。両面テープで簡単に付けられるため、誰にでも装着できる手軽さも評価いただいている。ジムニーはユーザー同士の横のつながりも強いため、口コミで購入が広がっていることも新しい発見だった」
 「ドアグリップポケットベースも人気がある。ドアグリップの機能や感触はそのままに、スマートフォンや鍵などを収納するポケットだが、差し込むタイプではなく、ドアグリップの下側に取り付けるため、握る部分が狭くならず、ポケット部分も確保できる。インターネットなどで安いものを購入したものの、使い勝手が悪く、この製品を買い直すなどの声もいただいている」

立体感の美しさや車体とのフィッティングにこだわり

 -苦労もあったのでは
 「アシストグリップポケットは実は苦労した製品の一つ。当初は上から差し込むタイプを採用しようと考えていたが、ポケットが狭くなってしまうことに加えて、突起があるため、うまくはまらないという課題があった。この部分はメンバーの一人が『3分割すればいいのでは』というアイデアで解決した。当社では純正に穴をあけたりせず、戻したいときに簡単に戻せるということをポイントにしている。だからこその苦労もあるが、工夫によって解決できることもたくさんあることも分かった」
 「ライティングUSBソケットも後ろの見えない場所に一つソケットを付けて、ドライブレコーダーなどにも対応するようにした。車種専用であることで、逆にアイデアを生み出すことができたり、工夫できることも増えた。ただ、図面上ではデザインや機能性が高いと思っても、実際に3Dプリンターで造形してみると、立体感(デザイン)が美しくなかったり、車体とのフィッティングやマッチングに納得がいかなかったこともある。その点を一つひとつ解決していくことが大変でもあり、楽しい部分でもある」
 -今後について
 「ジムニーの専用アクセサリーパーツを作り始めたときから同じ思いを持っているが、『あったらいいな』と思うものを実現させることを目指している。ジムニーは息の長い、カスタマイズしがいのある車。アクセサリーパーツを充実することで、ファンとのつながりを持っていきたい」