日本ペイントホールディングス(HD)は抗ウイルス、抗菌に特化した自動車用塗料の開発に乗り出す。新型コロナウイルスの影響で、現在同社が家庭用に販売している抗菌製品の売り上げが直近4カ月で3倍に伸長。完成車メーカーからも自動車用での引き合いが強まっていることから提案を進める。自動車用では内装パネルやカーエアコンなどへの塗布を見込むほか、将来自動運転車両が普及した際に複数人が同乗する商用モビリティでの採用も狙う。抗菌塗料の現在の売り上げはまだわずかだが、中長期的に数億円規模の事業に育てたい考えだ。

 9月に家庭用に販売を始めた抗ウイルス・抗菌用塗料製品「PROTECTON(プロテクトン)」の自動車用用途での開発を始めた。コロナ禍で密閉空間となる車内環境を不安視するユーザーが増えており、抗菌製品のニーズが増している。同社としても、今後はプロテクトンを自動車用途に改良し、完成車メーカーへの提案を積極化するほか、市販用として自動車販売店への拡販も検討する。

 現在販売している室内用塗料のプロテクトンインテリアペイントプレミアムは、抗ウイルス・抗菌に特化した新ブランドの水性塗料。同社の従来品と比較して、ウイルスと菌を99・9%以上抑制する効果を発揮する。性能としては、プロテクトンの層表面にある光触媒が室内の照明に反応して、塗膜表面に付着したウイルスや菌を抑制することで超低臭気・防カビ効果を実現する。

 CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)の浸透も同製品の普及を後押しすると見る。パーソナルカーに加え、ハンドルやスイッチ類などに不特定多数のユーザーが触れるカーシェアリング車両やレンタカーでの引き合いも強まると見ている。また、レベル4(限定地域での完全自動運転)以上の自律走行バスが普及した際、接触操作方式のディスプレーパネルや補助バーなどでも活路があると見ている。販売店でのディーラーオプションとしての提案も検討する。

 田中正明会長兼社長CEOは「抗ウイルス製品市場は近い将来国内で1兆円市場になるため、利用者に安心・安全を提供する上でも不可欠」とし、事業拡大に期待を込める。