フェアレディZ・プロトタイプと内田社長

 日産自動車は16日、スポーツカー「フェアレディZ」のプロトタイプモデルを発表した。デザインは、1969年に登場した初代モデルをモチーフにしながら、LEDヘッドランプを採用するなど現代風にアレンジした。事業構造改革で打ち出す商品強化戦略を象徴する車種と位置付け、ブランド力強化につなげる。2021年中に市場投入する計画だ。

 ニッサンパビリオン(横浜市西区)を会場にオンラインイベントで試作車を公開した。内田誠社長兼最高経営責任者(CEO)は「コンセプトカーではなく、デザインはほぼ完成した」と述べ、市販モデルもほぼこのままのデザインで投入する考えを示した。

 外観デザインは、ロングノーズとなだらかに傾斜するルーフライン、切り立ったテールエンドなど初代モデルのサイドシルエットを表現しつつ、ヘッドランプは1970年代の「240ZG」、リアは4代目モデルのテールランプを現代風にアレンジするなど、随所に歴代モデルのデザインイメージを盛り込んだ。

 パワートレインは、排気量は明かしていないがV型6気筒ツインターボエンジンを採用する。スポーツドライビングを楽しむために6速マニュアルトランスミッションも用意する。

 内田社長は、新型Zについて「事業構造改革のとても重要なモデル」と強調する。同改革では向こう1年半の間に12車種の新型車を投入し競争力強化を打ち出すが、日産を象徴するスポーツカーの新型モデルもこのうちの1車種となる。

 販売価格も公表しないが、内田社長は「Zはいつの時代も手の届くスポーツカーだ」と述べた。