ポルシェ911GT2RSに搭載した6本のピストン

 マーレと工作機械などを手掛けるの独トルンプは、3Dプリンターを活用した世界初のアルミピストンを開発した。レーザーが指定された層の厚さに金属粉末を溶融し積層する金属積層造形で、「ポルシェ911GT2RS」を使った開発試験では、燃焼効率が改善するなど30馬力の出力向上を達成した。

 特殊アルミ合金を粉末状に微粒化し、レーザーメタルフュージョンと呼ぶ工法でプリントした。3Dプリンターの採用により「バイオニックデザイン」と呼ぶ設計手法が導入できたという。必要な部分にピンポイントで材料を追加して強度を高めることができるのが特徴で、今回のプロジェクトでも過重負荷を最適化した構造のピストン設計を実現した。材料の使用量削減による20%の軽量化と高剛性化を両立させている。また、冷却系の設計にも3Dプリント技術が寄与。熱負荷の軽減にもつなげた。