ダイハツ工業がトヨタ自動車にOEM(相手先ブランドによる生産)供給する小型車の生産台数を増やしている。国内生産台数(含軽)に占めるトヨタ向け小型車の比率は、2016年の「ルーミー/タンク」の供給開始を機に上昇し、19年度には約3割に増加した。ベース車「トール」の商品性を大幅に改良し、小型車生産の拡大に弾みをつける。

 ダイハツのOEMの比率はトヨタの完全子会社となった16年度を節目に急速に拡大。トールの投入のほか、従来は共同開発車だった「ブーン」(トヨタ名パッソ)をOEMに変更したことで、15年度ではわずかだった小型車の供給比率が大幅に増加した。

 また、17年1月にはトヨタとともに「新興国小型車カンパニー」を設立。グループ内で小型車事業を主導する役割を担い、19年発売の「ロッキー」(トヨタ名ライズ)の商品化につなげた。

 現在は3車種の小型車をトヨタに供給するが、その中でも累計生産台数が約70万台となったトールは「屋台骨になりつつある」(嶋村博次製品企画部チーフエンジニア)。ルーミーとタンクを含む19年度の国内販売台数は19万2422台となり、車名別順位でホンダ「N―BOX」に次ぐ2番目に多い規模になった。

 トールの重要性は15日のマイナーチェンジの内容にも表れており、ダイハツはマイナーでは異例となる電子プラットフォームの刷新に踏み切った。19年に全面改良した「タント」で初採用した新型プラットフォームを採用し、全車速追従機能付きアダプティブクルーズコントロール(ACC)などの先進技術を追加した。

 ダイハツはトヨタ向けを含めた自社開発車の世界販売を25年に250万台に拡大する方針を掲げる。海外での生産拡大も進めることにより、目標達成を図る。