国土交通省と観光庁は8日、観光支援策「GoToトラベル事業」で、残る「地域共通クーポン」の利用を10月1日出発分からスタートすると発表した。地域共通クーポンは旅行代金の15%相当額を旅行先の飲食店や観光施設などで使えるようにするもの。旅行者に移動手段を提供する交通事業者も対象になることから、経営に打撃を受けている交通業界内からも期待が高まっている。国交省や観光庁ではクーポンにより、交通事業者を含めた観光関連産業の需要喚起を実現し、新型コロナウイルス感染症の影響で疲弊した地域経済の反転攻勢につなげる。

 赤羽一嘉国土交通相が同日に開いた閣議後会見で明らかにした。交通事業者など、クーポンを取り扱うためには事務局への登録が必要だが、登録手続きも8日から開始したことを表明。赤羽国交相は「地域の観光関連消費を広く喚起する観点からも、積極的に登録申請をしてほしい」と観光関連事業者に呼びかけた。

 クーポンは紙と電子の2種類を用意しており、旅行者は旅行会社や宿泊施設などから受け取ることができる。基本は1千円単位での利用が可能で、釣銭は出ない。旅行期間のみ、旅行先と隣接県で登録された店舗や事業者で使用できる仕組みとなっている。

 事務局への登録申請は公式ホームページに加え、郵送でも可能だ。登録には業種別に定められた感染予防対策のガイドラインの順守に加え、自治体から休業や時短の要請があった場合は従うことなどが条件となっている。利用可能なクーポンやどのガイドラインを順守しているかも明示した取扱店舗のステッカーを貼ることも必要で、店舗の掲示写真を事務局に提出しないと換金には応じないという。

 登録店舗には事務局からステッカーやマニュアルなどのツールを送る必要があるため、申請手続き完了から到着までに一定時間を要するとみられる。観光庁では15日までに申請すれば、10月1日のスタートまでに間に合うとしており、早めの登録を促している。