病院の前に救急車が停まり、患者の乗ったストレッチャーが慌ただしく救急外来に運びこまれる。患者の周りを複数のスタッフが取り囲み、それぞれが聴診器をあて、超音波検査を行い、点滴をとる。呼吸や血圧に異常があるとわかると速やかにリーダー医師が輸血や検査の指示を出し、救急外来の空気がぴりっと張り詰める。救命救急センターでは珍しくない光景である。1971年に…