オークスボードの概要

 SOMPOホールディングスは4日、中古車オークション(AA)事業に参入したと発表した。傘下の損害保険ジャパン(西澤敬二社長、東京都新宿区)が保険契約者から引き取った事故車両を独自のインターネットシステムで競りにかける。従来は自動車リサイクル事業者などに直接販売していた取引にAAを導入することで、売却益の拡大につなげる。

 8月下旬に子会社化した流通システム開発会社のSOMPOオークス(小竹克彦社長、東京都新宿区)がオンライン出品・入札システム「オークスボード」を準備し、AAを運営する。このAAに損保ジャパンが事故車両を出品し、自動車のリサイクル事業者や解体事業者からの応札を見込む。

 事故車を専門に扱うオンラインAAの「はなまるオークション」や「リンカーダイレクトオークション」など4つのAAと連携して競りの参加者を確保するほか、独自の会員も増やし、応札力を高める。9月中は東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県で引き取った車両を競りに掛け、10月から対象地域を順次拡大。22年度中に全国へと広げる計画だ。

 損保ジャパンが保険契約者から引き取る事故車両は年間約5万台に上る。自動車に被害衝突軽減ブレーキなどが装備されたことで事故件数は減っているものの、大規模災害などによって損害車両の数は高止まりしているという。こうした車両をAAによって高値で売却し、自動車保険事業の収益改善を狙う。