日本自動車輸入組合(JAIA、ティル・シェア理事長)が発表した8月の外国メーカー車新規登録台数は前年同月比15・4%減の1万8183台だった。落ち込みの改善幅は前の月と比べて鈍化したものの、5月を底に3カ月連続で回復した。特に新型車が投入されたSUVの販売が好調に推移し、ブランド別でメルセデス・ベンツ(MB)が7カ月ぶり、フォルクスワーゲン(VW)が6カ月ぶりにマイナス幅を1桁に縮小した。

 前年同月を割り込むのは2019年10月から11カ月連続。8月としては1988年の統計開始以降、上から11番目の実績だった。マイナス幅は前月と比べ2・4㌽の回復にとどまったが、JAIAでは「前年同月が8月として過去最高の実績だったことが影響し、回復幅は小さかった」としている。

 ブランド別の台数をみると、トップ5のうち、マイナスが1桁だったのはMBとVWの2ブランド。66カ月連続でトップだったMBは、同7・2%減の3983台とし、マイナス幅はコロナ禍の影響が新車販売に表れる前の水準に戻した。特に6月に全面改良したSUV「GLA」や新たに投入したSUV「GLB」が販売を底上げしている。

 また新規登録台数が2番手のVWもSUVの販売が好調だ。7月に新型SUV「Tロック」を発売したことで「ショールームへの来店が増加している」(フォルクスワーゲングループジャパン)状況だという。特に8月実績では1月に投入した「Tクロス」の登録が進み、同6・7%減の3014台となった。

 価格帯別にみると、最もボリュームが大きい400万円以上1千万円未満が同23・6%減の7969台にとどまり、前月よりも落ち込みが5・4㌽拡大した。1千万円以上も同7・1%減の1612台で同じく4・2㌽悪化。半面、400万円未満は小型SUVなどがけん引して同6・9%減の7539台と7月よりも11・6㌽改善している。

 日本ブランドの逆輸入車は、同0・9%増の3465台で、11カ月ぶりのプラスに転じた。6月にタイ生産の新型SUV「キックス」を発売した日産は、前年の3倍に当たる1512台だった。このうち普通乗用車は1178台。外国メーカー車も含めた輸入車総台数は同13・1%減の2万1648台。