国内電動車市場での存在感を高める

 ボルボ・カー・ジャパン(VCJ、リチャード・スナイダース社長、東京都港区)は25日、年内に国内で販売する全モデルを電動車のみにすると発表した。全モデルにプラグインハイブリッド車(PHV)と48㌾ハイブリッド車(HV)を設定し、2021年にはボルボ初の電気自動車(EV)の受注を日本でも開始する。全モデルの電動化は内燃機関をメインとしてきた量販ブランドとしては初めて。

 25日に新型PHV「XC40リチャージ・プラグインハイブリッドT5」を発売したこで、日本で発売するすべてのモデルにPHVが設定された。オンライン開催したプレスカンファレンスで、スナイダース社長は「ボルボは全モデルの電動化を実現する初のプレミアムブランドになる」とし、内燃機関のみを搭載するモデルの販売を年内に終了すると話した。

 電動化への切り替えが先行するのがSUVモデルだ。「XC40」は、PHVに加えて48㌾のHVを設定。「XC60」、「XC90」も含めた全SUVをPHVとHVだけに絞った。

 SUV以外で設定が残っているガソリンエンジン搭載車は、年内にすべてを48㌾のHVに切り替え、国内で販売する全モデルの電動化を達成する計画だ。

 また、PHVとEVの統一呼称として、新たに外部充電可能という意味の「リチャージ」を採用した。PHVはこれまで使用してきた「ツインエンジン」を廃止し、「リチャージ・プラグインハイブリッド」を使用。21年に導入予定の新型EVは「XC40リチャージ P8 AWD」として日本に投入する。

 ボルボ・カーズは、今後5年間でEVを5車種導入する計画を進めており、25年までに世界販売台数の50%をEV、残りをPHVとHVとする目標を立てている。VCJでも、まずはPHVの販売で電動車市場での存在感を高め、EV販売への足掛かりとしたい考えだ。