トヨタ自動車が計画する9月の国内生産台数が、新型コロナウイルスの感染拡大前に決めた当初計画を約1%上回る見通しになることが明らかになった。中国向けが好調な上、国内向け「ハリアー」なども増産する。同社は今後も回復傾向が続くとみている。

 トヨタは、新型コロナによる世界需要の低迷を受け、4月から国内工場で稼働日の振り替えや1直化などで減産を始めた。減産は今月まで5カ月続き、6月は計画比で約4割減にまで落ち込んだ。

 ただ、7月は同1割減、8月も同3%減まで回復し、6日の第1四半期業績公表時には、連結販売台数予想を期初の700万台から720万台へ増やした。中国販売は1~3月が前年同期比22%減だったが、1~6月で前年並みに回復し、7月を含めると前年実績を上回る。国内でもハリアーなどが好調で、9月はこうした人気車を中心に休日を稼働日にするなどして生産台数を増やす。トヨタは「先行きが見通せない環境は期初から変わらない」(広報部)としているが、世界的な回復傾向は今後も続くとみている。