モビリティサービス・プラットフォームの概要

 トヨタ自動車は、カーシェアサービスなどに運用している「モビリティサービス・プラットフォーム(MSPF)」の強化に向け、クラウドサービスを提供する米アマゾン子会社「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」との提携範囲を広げると発表した。コネクテッドカーやMaaS(サービスとしてのモビリティ)の普及をにらみ、データ基盤を強化するのが狙いだ。

 これまでもトヨタメディアサービスやトヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント(TRI―AD)などがAWSのサービスを利用しているが、今回の提携拡大によりトヨタ本体やグループ各社がAWSのサービスを利用する。AWSが世界各国に持つクラウドインフラを使い、将来的なデータ量の増加に備え、MSPFのデータ蓄積や分析能力を維持・強化する狙いがある。

 トヨタは2016年4月にコネクテッドカンパニーを立ち上げ、同年の暮れにMSPFの構築を発表。現在はMSPFを通じ、カーシェアやライドシェア車両のメンテナンス事前通知、運転挙動を反映させた自動車保険などのほか、集めたデータを車両開発にも反映させている。

 トヨタの友山茂樹執行役員は「コネクテッドは、自動車ビジネスにおける開発、生産、販売、サービスの全てのプロセスに大きな進化をもたらす。今回の提携拡大により、ビッグデータ基盤を強化していくことはCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)時代の大きな強みとなる」とのコメントを出した。