スズキは6日、富山県朝日町、博報堂とともに地域住民の移動をサポートするMaaS(サービスとしてのモビリティ)の実証実験を開始すると発表した。スズキの軽自動車と博報堂が開発中のMaaSシステムを組み合わせ、朝日町が公共交通サービス「ノッカルあさひまち」として提供する。スズキ自販富山も実験に使用する一部車両の貸与やメンテナンスで協力する。今月から2021年3月まで実施する。

 実証実験は、第1段階としてスズキの軽自動車を町の職員が運転し、地域住民を送迎するサービスから始める。その後、自家用車を保有する地域住民からドライバーを募り、同じ町内の住民を送迎する形にサービスを移行する。サービスの提供にあたっては、スズキ自販富山のほか、地元交通事業者の黒東自動車商会、「駅すぱあと」を開発するヴァル研究所も協力する。当初は無償で開始する。スズキはこの取り組みを通じて「地方の人々の移動における課題に向き合い、持続可能な形での課題解決に関わることで、地域や産業の振興および地方の人々との共存を図っていきたい」としている。