シーメンスは、独ポルシェ初の電気自動車(EV)「タイカン」の最終組立段階の製造ラインで同社のコンベヤー技術や無人搬送車(AGV)を活用したコンポーネントを設置したと発表した。

 同コンポーネントの設置は最短期間となる4・5カ月で行った。設置から最初の車両の生産までに要した時間は、同様のプロジェクトの約半分に短縮したという。製造ラインでは最大限の柔軟性を実現するため、従来のコンベヤーベルトを使用せずAGVを導入した。AGVにはシーメンスの技術が搭載されており、一つの製造ステーションから次のステーションへと車体を輸送する。運転サイクルは必要に応じて調整することが可能で、作業ごとにAGVを停止させたり、スピードを加速して次の処理ステーションに移したりすることができる。

 シーメンスは今回、AGVなどのほかに、重量用傾斜式EMSハンガーを導入した。これにより、車体は上下両方向に110度回転する。自動車の全部位に手が届くため、作業員は作業しやすい姿勢を維持できる。