マツダは17日、商用車「ボンゴバン」「ボンゴトラック」をダイハツ工業からOEM(相手先ブランドによる生産)供給による新型車に切り替え、9月11日に発売すると発表した。ダイハツがインドネシアで生産する「グランマックス」をベースとする。業務資本提携を結ぶトヨタ自動車を通じ、子会社のダイハツが生産する商用車調達を決めた。マツダは商用車の自社生産から完全撤退し、開発リソースを乗用車に集中する。

 新型ボンゴは、衝突回避支援システム「スマートアシスト」を全車標準装備するほか、新開発1・5㍑ガソリンエンジンを搭載するなど、安全性能や燃費性能を向上させた。価格(消費税込み)はボンゴバンの「DX(2WD、4AT)」で206万8千円。旧モデルとの単純比較はできないが、装備を充実させながらも5万円程度安い価格設定となっている。

 ボンゴは1966年に登場。初代から現行の4代目までで累計210万台以上を生産した。現行モデルは2020年の小型貨物自動車新燃費基準などの規制強化に対し、技術開発などのリソースを総合的に判断して商用車開発・生産の撤退を決めた。宇品第一工場生産のバンが5月13日に終了、プレス工業生産のトラックは8月末に終了する。

 マツダは17年8月にトヨタと締結した業務資本提携で商用車の商品補完を掲げている。ボンゴ後継車についてトヨタに打診したことで、ダイハツからの調達が実現した。