欧州自動車工業会(ACEA)が16日に発表した6月の新車販売台数によると、主要18カ国の乗用車販売台数は前年同月比24・4%減の102万7746台だった。5月(同57・2%減)に比べてマイナス幅を大幅に縮めた。特にフランスは政府による低公害車の販売支援策が6月初めに導入され、欧州で唯一プラスに転じた。

 欧州最大市場のドイツは同32・3%減の22万272台となった一方、フランスが同1・2%増の23万3814台となり販売台数が逆転した。イタリアが同23・1%減の13万2457台、スペインが同36・7%減の8万2651台、英国が同34・9%減の14万5377台となり、いずれも5月よりも回復傾向を示した。

 メーカー別では、仏ルノーグループが同15・7%減の14万7488台となり、ホームマーケットであるフランスの市場回復もあって他ブランドよりも減少幅は小さかった。独フォルクスワーゲン(VW)グループは同24・8%減の22万9973台、仏グループPSAは同28・3%減の14万8546台、欧米フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は同28・4%の6万986台だった。

 日系メーカーも全体的に回復傾向を示した。トヨタ自動車は同16・2%減の4万9231台となり、欧州の市場占拠率は5・2%と前年同月より0・4㌽上昇した。日産自動車は同27・6%減の1万7554台、マツダが同42・4%減の9753台、三菱自動車が同17・1%減の9057台、ホンダは同20・8%減の4499台だった。

 6月の新車販売は米国や日本も同2~3割減とほぼ同水準となっている。一方、中国は政府の需要喚起策で同11・6%増と好調に推移している。

 フランスも同様に販売支援政策によってプラスに転じたが、今後はこうした取り組みの効果がどこまで維持されるかが注目される。

 欧州主要18カ国の2020年上期(1~6月)の販売台数は前年同期比40・1%減の459万4489台だった。4月(前年同月比79・8%減)を底に需要は徐々に持ち直している。

 ドイツは同34・5%減の121万622台、フランスは同38・6%減の71万5798台、イタリアは同46・1%減の58万3960台、スペインは同50・9%減の33万9853台、英国は同48・5%減の65万3502台だった。メーカー別では各社とも2桁減となったが、その中でもVWが1・3㌽、BMWが0・7㌽、トヨタが0・8㌽それぞれ昨年同期よりもシェアを伸ばした。