JFEスチールは、溶融亜鉛めっき鋼板の品質向上を目的とした製造プロセスの独自技術について、国内外の全拠点への導入が完了したと発表した。千葉、京浜、倉敷、福山の4地区とタイ、インドネシア、中国、メキシコの4拠点で高品質な溶融亜鉛めっき鋼板を安定供給できる体制を確立した。

 溶融亜鉛めっき鋼板の製造プロセスでは、高温溶融した亜鉛のポットに鋼板を浸して引き上げた後に、過剰に付着した亜鉛をワイピングノズルで掻き落として目標のめっき付着量に制御する。付着量の均一化には、ワイピングノズルと鋼板の間隔を一定に保つ必要があり、高品質化のためには鋼板の振動と反りを抑制する必要があった。

 同社は鋼板の振動と反りを非接触変位計で検出し、電磁石の吸引力で鋼板の位置を制御する非接触制御装置を開発し、実用化を進めていた。加えて、操業条件やサイズに合わせた設計と、鋼板制御に必要な応答性と吸引力を両立する独自技術の採用で、振動と反りを同時に制御することを可能にした。